7. 新しい任務

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「今働いているところは、どうなの? 続けていけそう?」 「そうだな……。他に行く所もないしな」 「そう。でも元気そうで良かった」 「愛美はどうしていたんだ? なんだか雰囲気変わったな」 愛美はそっと、達也の腕に触れた。 「あれから1年よ。そりゃ変わるって」 「なあ、ここじゃ何だから、どこか入って話さないか?」 「ごめんなさい。用事があるの」 腕から手を離し、すまなそうに、しかしぴしゃりと言った。 「……男か?」 「そうね」 まっすぐ達也の目を見て言い放つ。 達也の心の中に、冷たく重い月が沈んで行く。 愛美は立ち上がると、達也に向かって手を差し出した。 「会えて良かった。これからも元気でね」 「……」 手を握る。 その懐かしい温もりにずっと触れていたかったが。 そして愛美は手を振りながら、雑踏の中へ消えて行く。 達也はしばらく、そこから動く事ができなかった。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 愛美は早足で歩きながら、バッグからスモールタブレットを取り出す。 そして、連絡先からひとつの番号を選ぶと耳に当て、相手が出るのを待った。
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