無職リサイクル

７. 新しい任務

数回コールを待ち、電話が繋がった。

「北川です。接触しました」

相手の問いかけに、簡潔に応答する。

「はい、問題ないと思われます。あとは本人次第かと」

接続を切ると、バッグを開けてスモールタブレットをしまう。

バッグに水滴がぽとりと落ちた。

自分でも気づかないうちに、涙が頬を伝っている。

愛美はその涙を拭おうともせず、まっすぐ前を向いて夜の煌びやかな街を歩いて行った。