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関越道路を1時間半程走り、北関東にある某県のインターで降りた。
田舎道に入り、途端にあたりは漆黒の闇に包まれる。
ヘッドライトの光だけを頼りに、車は走り続ける。
長内がインカムを手に取った。
「あと10分程で管理区域に入る。各自、警戒モードで待機しろ」
各車から応答が入る。先ほどまでの陽気さとは異なり、声に緊張を感じる。
「襲撃があるとすれば、ここからだ。奴らは人目が付く場所では攻撃してこない。神条、警戒して見張れ」
「了解です」
辺りは真っ暗で、見張ろうにも何も見えなかったが、達也は窓の外に目を凝らした。
やがて前方に巨大なゲートが見えてきた。
トラス式でアーチ型の無機質な建造物がライトに白く照らし出される。
見るからに頑丈な鉄製の門が、訪れる者を拒むかのように、隙間なく閉ざされていた。
車は一旦停止すると、長内がスモールタブレットを取り出し、いくつかの数字を入力した。
門がリモートで、ゆっくりと開かれる。
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