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突然、大きな爆発音が聞こえ、納屋全体が激しく揺れた。
天井から剥がれた木片がバラバラと落ちて来て、思わず頭を抱える。
「ドローンか?」
「いや、あれはもっと爆発が小規模だ」
再び爆発音が聞こえた。銃声も鳴り響いている。人の怒号や走る足音。外は俄かに騒がしくなった。
「なんだ? ただ事じゃなさそうだぞ」
達也は壁に駆け寄り、朽ちてできた隙間から外を眺めた。
だが、商店の建物に阻まれ、外で何が起きているのか確認する事はできない。
と、納屋の外から覗き込む目が視界を遮り、驚いて思わず声を上げた。
「神条か!?」
高村だ。
「そうです! 何が起こってるんですか!?」
「わからんが、RATSが攻撃されている。もしかすると保安局の部隊かもしれん」
達也の脳裏に、近々本格的な掃討作戦がある、という長内の言葉が浮かんだ。
「ここを開けられますか?」
待て、と返されて、扉の方で金属を叩く音が聞こえる。南京錠を壊しているようだ。
納屋のすぐそばで、耳をつんざくような爆発音が聞こえ、屋根の一部が吹き飛んだ。
達也は崩れ落ちる屋根の破片をかわしながらブッチの元に駆け寄ると、その腕を肩に回した。
「歩けるか!?」
「大丈夫だ。全力で走る事だってできる」
言葉と裏腹によたつくブッチを支えながら、扉へと急ぐ。
金属が砕ける音がして、扉が開いた。
突然差し込む強烈な光の中に、警棒を握った頼もしい巨躯の姿が現れた。
「おまえをストーキングしておいて、正解だったぜ!」
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