第1章

5/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
放課後。安達さんと谷崎くんが、あの教室にやってきた。 谷崎くんは今日も相変わらずデレデレ顔。対して安達さんは、男を手のひらで転がすのを楽しんでる感じ。 あれは相当遊んでるな……。 安達さんが、谷崎くんの首に手を回したときだった。 えっ……?! 私は驚いて、思わず双眼鏡を落としてしまった。 目が、合った。レンズ越しに。 う、嘘だ。そんなはずない。どれだけ視力がよくても、あそこから私が見えるはずない。 なのに…… 彼女は、笑っていたのだ。まっすぐに、私を見て。 それは、今までに見た彼女のどんな表情とも、違うものだった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!