スタイリッシュ粉砕

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「……すみれさん?」 一通り吐いて化粧室を出ると、 背後から やわらかな低音が響いた。 ちゃんと口元は 拭ってきたけど、 いまいち不安で 手で覆い隠しつつ振り返る。 「やっぱり、すみれさんだ」 そこに立っていたのは、 このビルの2階で 営業しているカフェで働く 天川(てんかわ)さんだった。 いくつかの会社が入っている このビルには、 社員をターゲットにした 飲食店が何軒か入っている。 天川さんの働く“オンブル”も そのひとつで、 軽食もやっているから 私もよくお世話になっている。 何度も通ううち、 ギャルソンの天川さんと仲良くなった。 天川さんは空のトレイを 脇に挟みながら、 にこりと私に微笑みかける。 .
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