スタイリッシュ粉砕

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  だから嬉しくて嬉しくて、 思わず泣いたっけなあ。 韮沢はそんな私を 可愛いと言って、 あっという間に深い仲になったっけ。 ──うち、 社内恋愛は芳しくないっていう 空気だから、 周りには黙って 付き合ってたんだけど、さ。 「え、何それ? ど、どういうこと? 意味?」 頭にどっと混乱が押し寄せて、 思考回路を支える 色んなものが遮断される。 正しい日本語を 思い出せないくらい ちかちか閃光が走る脳内は、 まるで切れかけの蛍光灯の 断末魔のようだった。 「んー、ありがちなんだけど、 社長のお嬢さんに 気に入られちゃって。 俺、会社員だし、 そういうのに逆らえないんだよね」 「え? ……あ、はあ、そう」 .
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