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すぐに会いに来なかったこと、
その理由を言わなかったことは、
ただの口実でしかないと。
織部先生は自分の
トラウマからの遠慮。
あたしは彼の
そのトラウマへの気遣いと、
憧れから始まったことへの遠慮。
遠慮ばかりして
恐る恐る始めた恋は、
きっとそのままでは進まない。
だからと言って、
何も考えずに正面から
ぶつかれる程
しがらみがないわけでも、
子どもでもない。
だけど踏み出すための
材料がない今、
狡くても卑怯でも、
少しの欺きが必要なら──
それでいい。
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