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息を切らしながら
熱いアスファルトを足早に
駆け抜ける。
渡ろうとしていた
横断歩道の信号が
ちょうど青で、気持ちがはやる。
「美園ちゃん!?」
脇の道路の車から
呼びかけられて
横断歩道の真ん中、
驚いて立ち止まった。
見ると車の窓から
顔を覗かせていたのは
織部先生で、
思わず目を見開く。
「織部センセ、
何でここに……」
言おうとすると、
渡ろうとしていた方向の
信号の青い光が点滅し、
赤になった。
「とりあえず乗れ!」
立ち止まったあたしと
発進しない織部先生の車、
それぞれクラクションを
鳴らされながら
ようやく顔を合わせる。
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