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なんて言ってしまえたら
楽なんだけど。
あたしが口ごもっていると、
織部先生は少し苛立ったように
指先でとんとんと
ハンドルを弾いた。
「……言えないことなのか?」
「そういうわけじゃ……
ごめんなさい、
今うまく言えなくて……」
「どうして?
君は人を
待ちぼうけにさせて
平気な娘だったのかな」
「……そんな、違います!」
今日は一体何だと言うのだろう。
深町さん、
ユウ──
そして織部先生。
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