第1章

3/6
前へ
/6ページ
次へ
「やっほ~♪相変わらず忙しそうねぇ?」 「書類に向かってる姿、似合わないよねー、ブラウとヴィオレットって♪」 ドアを開けて入ってきたのはロートとゲルプだった。 ロートは嫌味たっぷりに。 ゲルプは元気いっぱいに言ってのけた。 「似合わなくて悪かったな…仕事なんだから仕方ねぇだろ?」 「っていうか、ロート、お前、錬金術連合空けていいのか?爺さんの跡を継いで、錬金術連合の統治者になったんだろ?」 ヴィオレットが面倒臭そうに返事をすると、ブラウがロートに首を傾げて告げた。 「ん?あぁ…っていうか、統治者、って云っても、前みたいに統一者が全てを決める訳じゃないし?皆で協力してやってるからね、別に連合を空けてても問題はないわ」 ロートは軽く笑いながら答えた。 「そっか…そーだよな。この世界も随分変わったもんな…最初の内は皆困惑してたけど…やっぱ、一ヶ月も経つと皆も変わってくよな」 一ヶ月。 そう、あれから一ヶ月も経ったのだ。 短いようで長い、一ヶ月が。 「そーいう事♪それでね?今日来たのは、世界の安定も一段落したから、パーティーでもやろう、って話になったから、お誘いに来たんだ~♪」 「お、いいなぁ。俺は賛成だぜ」 ゲルプのお誘いにヴィオレットは書類を置いて賛成の意思を示した。 「何云ってんだよ、ヴィオレット。俺等、この書類の片付けを早く終わらせなきゃいけないんだぞ?パーティーなんかに参加してる場合じゃないだろ」 ブラウはそんな」ヴィオレットにため息交じりに告げた。 「それならご心配なく。クヴェレの許可は貰ってあるんだから。クヴェレも来るしね?」 ロートはふふん、と笑った感じで言う。 「クヴェレ上官も参加するのか?…いや、でも…俺書類が…」 「あぁもう、優柔不断なんだから!参加すればいいだけの話でしょ!」 戸惑うブラウにロートが苛立って言う。 「だ、だけど…」 「はーい、ブラウ参加決定☆さ、会場に行こ~♪」 「は!?いや、ちょっと待てって!痛っ…あんま腕引っ張んなー!!」 ゲルプ、ブラウの腕を引いて歩き出し。 ロート、ヴィオレットは後から着いていく。 そして会場到着。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加