第1章

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番外編【蒲公英の咲く頃に】 ~海、由佳里、波、桜、ゲルプ編~ 「わー、すっごいねー!」 辺り一面黄色の花。 蒲公英の花で埋め尽くされていた。 此処は海たちの世界。 ゲルプが遊びに来ていたのだ。 「十三の支配する世界にも咲いてるけど、こんなには咲いてないなぁ」 ゲルプは感心するように呟いた。 「確かにあっちではあまり見なかったわね」 由佳里がお茶を淹れる準備をしながら微笑んで言う。 「そういえばこの間桜さんが蒲公英を沢山植えるって張り切ってましたよね」 波が微笑みながら告げた。 「あ、はい。頑張って植えようと思ってます。いつかあっちの世界も蒲公英で一杯になるといいなぁ…って」 桜が微笑んで告げる。 「へぇ。波、そんな話、僕聞いてないんだけど?いつ聞いたの?」 「え?ちょ、直截ではないけど…その…メール、で…」 「もしかして波と桜って良い仲なの!?」 海の言葉におどおどと返答する波。 その間に割って入ったのはゲルプだ。 「良い仲なんて、そんな…!ただ、メールを、時々、する、ぐらいで…」 「そ、そうですよ!別に僕らは…!」 波は赤くなりながら手を横に振った。 桜も慌てて手を振る。 「へー…波と桜かぁ…お似合いだよねぇ?ゆか…いたっ!」 ぽか、と由佳里がゲルプの頭を叩いた。 「由佳里、何するの…」 「下世話な事聞かないの。失礼でしょう?」 「だって~…」 「それと海。貴方だって聞ける立場じゃないんじゃないの?」 「ぅ…」 由佳里に指摘されて、海は黙り込む。
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