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いつホームレスになるかわからない貧しい労働者はカネのためならなんでもする。プイパクーラではそれは常識だ。責められやしない。鋭馬自身も裏切りを後ろめたく思わなかった。命あっての――なのである。
職場の配送センターも安全とは言い切れない。すでに手が回っているかもしれないからだ。
鋭馬にとって安全な場所はプイパクーラにはどこにもなかった。眠かったが、どこかで休憩するわけにもいかない。が、そうはいっても、いつかはクルマの電池も切れてしまう。それまでにどう逃走するか考えなくては――。
プイパクーラを脱出するか、それとも市内に潜伏し続けるかで、今後の行動も違ってくる。
プイパクーラを脱出するとしたら……。
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