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このままマイクロカーで移動しようとしても、隣の町までも行けず電池切れになるのは明らかだった。途中に充電スタンドがあるにはあるが、町を出るとなると職を失うのだから、なるべく金は使いたくはなかった。着のみ着のままの逃走は、そのあとのことを考えると気が重かった。
ではプイパクラーラ市内のどこかに潜伏して、ほとぼりが冷めるまで待つというのは……。
ごちゃごちゃしたスラム街なら潜伏も容易いかもしれない。身元不明の住人ならいくらでもいた。その中に紛れてしまえばわからないだろう。しかしながら、市内では追っ手が鋭馬の行方を探し続けているわけであるし、潜伏しているところを発見されればもう逃げ場はない。
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