秋…その後

5/11
前へ
/33ページ
次へ
哲平の作戦は成功した。 桜の居場所の見当がついていたので、まっすぐその場所に向かい、びっくりさせて桜の緊張を忘れさせる作戦を取ったのだ。 予想が外れていたら失敗に終わった作戦も無事成功し、桜の笑顔が輝いていた。 繋がったままの電話を切り、桜は哲平に駆け寄る。 「びっくりしたよー! なんですぐわかったの!?」 「この辺にいそうだなーって予感がしたから」 ニコニコしながら哲平は話す。 「ホント渡辺って謎なとこあるよね。 あたしのいる場所もお見通しなんて、だてにマイナスイオン持ってないね!」 さっきまでの緊張が嘘だったかのように、桜の心は弾んでいた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加