プロローグ

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春。 まだまだ寒いけど、もうそろそろ、桜の蕾が顔をのぞかせる頃 桜‥か。 部屋の机の上にある写真を見てつぶやいた そこには2枚の写真。 1つは幼い少女2人が桜の下で笑顔を向けている もうひとつは‥。 髪の長い少女が恥ずかしそうに笑っている写真。 その少女は、若いながらに少し憂いを感じさせた 「は‥ぎ‥」 写真をなぞる指が、悲しく伝った はぎ。 もうすぐ、半年。 もう会えなくなって、半年もたつんだって。 半年じゃ、まだ‥辛いよ。 お兄ちゃんや、お姉ちゃんが、隣にいてくれるから‥ なんとか頑張っていけそうです 最近ね、お姉ちゃんのいる図書館でお手伝い始めたの。 もうちょっとしたら、桜が咲いて‥。 絨毯みたいになるんだって‥。 はぎ、 萩にも見えるよね‥? 萩にまた会えるような気がするの あの桜の木の下で、昔と変わらず 桜の花びらを眺めて 「ただいま‥」 って言って また笑いかけてくれるような気がするの ‥おかしいよね? あの時見たはずなのにね。 心のどこかで、まだ萩のことを受け入れられなくて もがいてる 桜の花が咲いたら、 私も、やってみようかな 萩がやってたみたいに。 少し嬉しくて 少し苦い そんな春がやってくる
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