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時間にしたらほんの40分ほど、たいした会話をする事もなく図書館の駐車場へと戻る。
「あの、本当にありがとう。その・・・付き合ってもらっちゃって」
車から降り際、しどろもどろで言う私に
「ちょっと待って」
ダッシュボードからペンとコンビニのレシートを取り出し何か書いている。
「これ」
手渡されたレシートの裏側にはアドレスが書かれていた。
そのまま走り去る車を見送りながら今何が起きているのか把握できない状態で立っている自分がいた。
ただ少し話したかっただけ。
今、この数時間だけでも十分満足なはずだった。
小さな恋の欠片が胸の中に突然現れキラリと光り始める。
私は
恋に落ちた。
あの美しい青年に・・・。
これは偶然なんかじゃない、運命だ。
彼と今日出会うためにここに来たのだと、そう勝手に決めつけた。
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