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「……せんせ……
なん……で?」
『家族になって』って、どういうこと?
結婚しないんじゃ、なかったの?
その劇的に熱い向上、
まるでプロポーズみたいだよ?
「『なんで』じゃない。
君は『うん』と言えば良いんだ。
……言ってくれないの?」
優しいトーンで、少し強引。
図ったみたいに、
あたしの大好きな先生だ。
「愛してるって、言ってるだろう。
好きなんだから、
一緒に居たいのは当たり前だ。
……久美ちゃんは、そうじゃない?」
「一緒に居たい、よ……」
「だったら……」
「だって!
結婚しないって言ったもん!」
聞きたくない、聞きたくない。
これ以上、あたしを惑わせないで。
喜びに溺れさせないで。
「今更、他の人と暮らすなんて、
無理だって言ったじゃない!」
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