裁判記録:だから僕は――

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 リア充、爆発しろ――なぁんて言葉は既に古いだろう。しかしながら今の僕にとっては、しっくりくる言葉なんだ。  退社しようと部署を出ると、廊下の隅に隠れるように誰かに電話をしている後輩の姿が目に留まった。少しだけ見ることのできる、嬉しげな横顔からアレコレと推測してみる。  考えを巡らせる僕の視線に気がつき、ちょこっとだけ頭を下げて目礼をした、気遣いのできる後輩。幸せそうな雰囲気をおすそ分けしてくれる様な笑みに、同じく微笑み返してやる。  いい人間、いい先輩を演じるのは、社会で上手くやっていくのには必要なことなれど、ときとして疲れてしまう。  だからたまぁに罠を仕掛けて、遊んでやるんだ。いろんな人間を巻き込んで、滅茶苦茶にしてやって、その苦しむ姿を楽しむために。 「バイバイ、笹木くん。次のカモは君だよ。楽しみにしていてくれよな」  聞こえないように告げて、その場をあとにした。  これからはじまる楽しい企てのお蔭で、弾む足取りに思いを馳せながら――。
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