第1章

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 孤独が好きな訳じゃないけど  夜更けのロビーは心が安らぐ  長引く入院生活  夜の一息、言葉は要らない  窓から見える景色が心慰めてくれる  雨降りの街はどこか淋しげで  光のプリズム狂わして、色を落とす  私に色は要らない  ただ、静かに時が流れて  思い悩む時間があればいい  大切な思索の時  時には過去を懐かしみ  時には見果てぬ将来へ思い馳せ  時には現実を認識する為  自らの足元を見つめ直す  時の隙間には  いくら埋めようとしても  埋まらない溝がある  思い出せない記憶  消してしまった記憶  いくら紡いでも結べない糸  空白の谷間を幾つも越えて  粉々になった心の破片  青春ははかない爪跡  何をしても許されるなんて甘い錯覚  やりたいことやって、楽しんだら  後でつけがまわってくる  今、足跡を照らす薄明かり  目の前に立ち塞がる壁を破らなければ  将来は見果てぬまま、萎んでいく
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