佐久彦は語り部を名乗る。

第１章

悠理学園。
初等部から高等部までエスカレート式のお金持ち私立男子高。

中等部から全寮制になるため、女性のほとんどいない閉じた世界で生活する彼らは、当然お年頃な欲求ーつまりあれだ、持て余すような性欲だーに駆られる。

相手もろくにいない状況で？
はっ、甘いぜ。

お年頃な男の子を舐めてもらっちゃ困る。

相手ならな、わんさかいるんだよ。同性っていう相手がさ。

まぁ、小さい頃からそう言う状況下に置かれることで、感覚が麻痺してるのか、それとも大抵の男は潜在的にそっちの気もあるって言うことなのか、高等部の場合

ホモ3.5割、バイ5.5割、ノーマル1割

なんて言う恐ろしいパーセンテージを叩き出している。

少しだけ救いなのが、この学園が割と成績優秀者が外出届を取りやすいってのと、外との交流を頻繁にやるってので、バイの割合が王道な学園より高めだ、ということかな。

高等部の場合、クラス分けがA、B、C、Dと成績順。
お決まりのようにAの上にSクラス、成績優秀に加え家柄最高峰な生徒が集められる。
それプラス(学園側としてはマイナスかな？)家柄がそこそこ良くても成績素行共に最悪な生徒がFクラスに集められる。

つまり『S、A、B、C、D飛んでF』と言うこと。

生徒会はあれだ、抱かれたい・抱きたいランキングという恐ろしい投票結果の上位者が立候補権を得られる。という２段階形式。大体上位20人くらいだったかな？
この学園偏差値高くて当然の如く顔面偏差値も高い。
上位20人って言うと怖いくらいのイケメンと美人が集まる。

風紀委員会……は１年の時には存在してなかった。
そう言う役職はあるけど誰も就いてない、って状況らしい。少なくともコー曰く、コーが中等部２年生の時にはあったと言う。
活動らしい活動が無くて、自然解散したのかもしれない。
風紀はランキングで決まるわけじゃなく、１学期最初の体力テストの結果が一定の基準を超えてたら立候補出来る。

親衛隊？
勿論存在する。
この学園では、了承を得た個人につき１つの隊。掛け持ちは禁止。活動報告書を提出できれば、割となんでもありなグループだ。
部活動に入るノリで入隊する奴もいるとかいないとか。
昨年度までは過激な活動をする奴が多く無く生徒会と教師だけで宥められてたようだ。
それだけ生徒会が優秀だとも言える。