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……お、そこの人。
もしかして気づいたか?
料理が趣味だとか言って、食堂で食うのかよって?
あ、それとも俺の個人情報とか、頭の片隅に置くまでもないって?
……うん、まぁ、普通そうか。
……答えを聞いたら、絶対虚しくなるな、この問答。
まぁ、気をとり直して。
この学園の食堂のメニュー。さすが金持ち学園なだけあって、メッチャクチャ美味いんだよ。
初めて食った後、思わず料理長に弟子入りを申し込んでしまったくらいだ。
俺と料理長との話は、ほとんど俺個人の内容になっちまって、BL的なトコからズレるからな……
取り敢えず、料理長とここのウエイターにはその可能性がある、とだけ今は告げておく。
「サク……進級して嬉しいのは分かるけど、早く戻って来て。
俺もコヘも何頼むか決めたよ?」
「……あぁ悪い。と言っても、もう決まってるんだけどな」
8人掛けのテーブルの右端に寄って、俺とコーが隣合って座り、俺の向かいにコヘがいる。
「決まってるなら、妄想の世界に飛び立つ前に、操作してよ……」
ジト……と隣のコーに睨まれながら、机1つ1つに備え付けられたタブレットを渡される。
「あはは……ごめんって……ちくしょうイケメンはジト目でも、イケメンだなこのヤロー……」
反省してね~。とコヘにケラケラ笑われる。
ピッピッ、とタッチパネルを操作して、後は送信ボタンを押すだけだ。
2人はすでにAランチセットと和風パスタを頼んでいたようで、画面に俺の注文した物と一緒に表示されている。
「2人ともこれでOK?」
「うん、いいよ」
「おう、腹減ったぜ、早く食いてぇや」
んじゃ、送信、と。
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