第1章

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「今週はいつの昼休みが、ご都合宜しいですか?」 あぁ、週1の昼食会の約束をしにいらっしゃったんですね。 ちなみに今日は火曜日だ。 「予定は特にありませんから、俺はいつでも大丈夫ですよ」 「!そうですか、では青生様がお決めになってください」 「そうですね……金曜日でいいですか?」 「はい!みんなに伝えますね! では、青生様、また金曜日に」 ようやく終わったか。 後は、心木先輩が食堂から出るまで気を抜かずに息を殺すだけだな…… 「……そうだ、山中「っひ!」少し話がある……何ビビってんだお前」 ええぇぇ!なんですか!春休み明けで久しぶりだったから、気配消せてませんでしたか!すみません、すみません!何でもするから、ぶたないd…… あ、これ、俺がやってもダメだ。気持ち悪っ。 「うん、その顔だけで十分だよ謝罪は。だから早くこっち来な」 「さらっと毒吐きましたね。流石の俺でも泣きますよ?」 「山中に流石と言う形容詞を、使用する権利があるとでも思ってるの? 後、泣いても気持ち悪いだけでしょ、公害だよ」 「心木先輩の気分を害せるなんて!俺感激です!」 取り敢えず食べ終わった食器を持って、立ち上がる。 どうせ、後は寮に帰るだけだし、とコーとコヘに 「先行くなー」 と声をかけて、さっさと歩きだしてしまう心木先輩の後を追った。 「心木先輩の二面性にもびっくりだけどさ、サクもそれに付いて行けてるから凄いよなよな」 「サク曰く、色んなジャンルの物を読んだり見たりしてるうちに、色んなキャラクターの特徴を真似るのは得意になったってさ」 「キャラを真似るんじゃなくて、特徴を真似るんだ」 「そ、『面白ければいい』んだって」 佐久彦の背中を見送りながら、小日向と康平は静かにそんな会話をしていた。
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