870人が本棚に入れています
本棚に追加
/522ページ
「今週はいつの昼休みが、ご都合宜しいですか?」
あぁ、週1の昼食会の約束をしにいらっしゃったんですね。
ちなみに今日は火曜日だ。
「予定は特にありませんから、俺はいつでも大丈夫ですよ」
「!そうですか、では青生様がお決めになってください」
「そうですね……金曜日でいいですか?」
「はい!みんなに伝えますね!
では、青生様、また金曜日に」
ようやく終わったか。
後は、心木先輩が食堂から出るまで気を抜かずに息を殺すだけだな……
「……そうだ、山中「っひ!」少し話がある……何ビビってんだお前」
ええぇぇ!なんですか!春休み明けで久しぶりだったから、気配消せてませんでしたか!すみません、すみません!何でもするから、ぶたないd……
あ、これ、俺がやってもダメだ。気持ち悪っ。
「うん、その顔だけで十分だよ謝罪は。だから早くこっち来な」
「さらっと毒吐きましたね。流石の俺でも泣きますよ?」
「山中に流石と言う形容詞を、使用する権利があるとでも思ってるの?
後、泣いても気持ち悪いだけでしょ、公害だよ」
「心木先輩の気分を害せるなんて!俺感激です!」
取り敢えず食べ終わった食器を持って、立ち上がる。
どうせ、後は寮に帰るだけだし、とコーとコヘに
「先行くなー」
と声をかけて、さっさと歩きだしてしまう心木先輩の後を追った。
「心木先輩の二面性にもびっくりだけどさ、サクもそれに付いて行けてるから凄いよなよな」
「サク曰く、色んなジャンルの物を読んだり見たりしてるうちに、色んなキャラクターの特徴を真似るのは得意になったってさ」
「キャラを真似るんじゃなくて、特徴を真似るんだ」
「そ、『面白ければいい』んだって」
佐久彦の背中を見送りながら、小日向と康平は静かにそんな会話をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!