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ジュンジュンとタケルちゃんは高校で会ったけど、信彦は中学も一緒だった。
まぁ友達になったのは高一でクラスが同じになってからで、その時はほんの顔見知り程度だったのだが。
それでも信彦は俺と神原の関係が今のようになる前をなんとなく知っているようだった。
かったるい授業を全て終えて、みんなが帰宅する時間。なんやかんやと教室に残っていた連中もこぞって帰っていった。
そして教室は、課題をやるという名目で残っていた俺と信彦だけになった。
ジュンジュンは部活に行ったし(あれでサッカー部のエースなのだ。アホだけど)、タケルちゃんはいつのまにか消えていた(さすがは未知数)。
しばらくは雑談しつつも真面目に課題に取り組んでいたが、信彦が唐突にその話題を蒸し返した。
「で?何があったんだ神原と」
「いや別に?いつも通りだよ」
くると予想していた質問に、用意していた答えを返す。
それに信彦は隠しもせずに不満げな顔をした。だからちょっと補う。
「お互いが気に入らないと思ってるから、くだらないことだとわかってても腹たっちゃうだよね~」
ニヘヘと笑う。
「……」
はあ、と信彦がため息をつく。
あら、ごまかせなかったみたい。
信彦の指が顔に近づいてくる。あっけにとられていると…。
バチンッ
「~~~っ……てぇっ!!」
何かと思えばデコピンされた。
それも生半可なやつじゃない。強烈なやつ。ガチなやつ。
おかげさまで涙目だわ。
完全に八つ当たりじゃねぇか…!
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