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「…ぁにすんだよ!」
くらえ!朝倉千春のにらみつける攻撃!
すると信彦はぼうぎょが一段階下がるどころか、フッと何やらイケメン風に苦笑した。
「…まあ、言いたくなったら言えよ」
わしゃわしゃと髪をかき混ぜられる。ぐわー!俺様のバッチリきまったゆるふわヘアーがー!
「ちょっやめろっての!」
やり返してやろうと手を伸ばした時、ガラリと教室のドアが開いた。ポカンとして扉の方に目を向ける信彦と俺。
立っていたのは、今一番会いたくない奴で。
あれ?これなんてデジャヴ?
「…何してんだ、下校時刻は過ぎてんぞ」
風紀委員の腕章をつけた神原は、苦虫を噛んだような顔でそう言った。
あからさまに不機嫌な態度にこちらとしても黙ってられない。
「ベンキョーしてただけですーほっとけ陰険委員長」
「勉強だぁ?お前が?アホの考える言い訳は程度が低いな」
そう言いながら神原は信彦の方を見た。
「…ああ、なるほどな」
そして意味ありげに呟く。その顔には嘲笑と呼ぶのがふさわしいような笑み。
「女がダメなら次は男か」
…は?
「下半身がゆるいと大変だな」
何、言ってんの?コイツ。
「ホント、どうしようねぇなお前」
嘲笑が歪んで、心底軽蔑したような眼差しが俺に向けられる。
何言ってんだ何言ってんだ何言ってんだ。
女がダメでだから男?下半身が何だって?なんで、
なんでそんな目で見るんだよ。
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