1.青春群青色

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「おいおい神原…本気で言ってるんじゃないだろ?」 さすがに見かねた信彦が言った。 「事実だろ。実際こいつが言ってたんだ。なあ?」 見下すように神原が俺の方を見た。一切、表情筋の動かない、能面みたいな顔。 ひどい。 「お前が誰と何をしてようが興味ないし、どうでもいいが、時と場所は弁えろって言っただろ」 ひどい。 「そんなに俺の手を煩わせたいのか。もっとマシな嫌がらせでも考えろよ」 ひどい、ひどいひどいひどい! 俺の頭にはもうそれしか浮かばない。 つーか、完全にこれは言いがかりだろ。 なんでここまで言われなきゃならないんだ。 俺が何をしたっていうんだ? そりゃ、俺がお前の親を殺したならこの仕打ちにも我慢ができるよ。 事実はもちろん殺してないわけで、むしろお前んとこのおばさんおじさんはピンピンしてるわけで、毎朝俺に挨拶してくれるんだぞ? なのにお前はなんなの? 俺をなんだと思ってるんだ。 虫ケラにでもこんなに酷くは当たらないだろ。 あーなんか腹立ってきた!! 「てめぇ黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって…」 今まで何も言わなかった俺が口を開いたことに、一同が固まる。 「…なんだ、文句があるなら言い返してみろ」 「文句しかねぇわハゲ。聞きたいだけ聞かせてやるけどな、その前に…」 俺は拳を握りしめた。それを力一杯ヤツのほっぺたに叩き込んでやる。 バキィッ!! 油断していた野郎はフラフラと数歩後ろによろめいた。 そして「何が起こった…?」的な顔でこっちを見てきた。 ざまぁみろ。 「これは信彦の分!!」 拳を突き出して高らかに宣言。後ろで信彦が若干呆れているようだが、気にしない。
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