1.青春群青色

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「そしてこれがぁ…」 超絶美青年、朝倉千春様のぶ、 バキィッ!!!! 「ぶふっ!!!!」 俺が言い切る前にヤツが拳を突き出した。 その拳が俺の顔面にクリティカルヒット。 ほっぺたに食い込む拳。 吹っ飛ばされる俺。 漫画の主人公よろしく立ちポーズを決める神原。 床に叩きつけられる俺。 …この間スローモーションでお届けしています。 そしてしばらく放心状態。 次に襲ってきたのは… (いっ…てえええええ!!) 猛烈な痛みだ。 燃えるように頬が熱い。 ハンパなくじんじんする。 え?これ歯とか折れてないよね?大丈夫? つか何が起こったし。 簡単に説明すれば、ヤツが俺を殴ったのだ。 ぶっちゃけ俺が殴った時よりも数倍凶暴な音を立てて、ヤツが俺の顔を殴りやがった。 ウソだろ。ありえねぇ。 こんなヤツが風紀委員長なのか、それでいいのかウチの学校は。 いや問題はそこじゃない。 このダサい男が、この俺の超絶美貌を殴ったなんて。 親にも殴られたことないとか言う余裕もない。 頬を抑えてきょとんと見上げると、ヤツが鼻で笑った。 「ハッ。ざまぁねぇな」 カッチーン。 「…てめぇええ!!」 立ち上がってヤツに掴みかかれば、そこからは取っ組み合いの始まり。 これは見かねた信彦が止めるまで続いた。
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