48人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
俺と神原祐史は、実は幼馴染だったりする。
家が近所で、それこそ生まれた時から知っていた。保育園、小学校、中学校とずっと同じだった。
ある時までは普通に仲が良かったんだが、何かを境に距離をとるようになった。たぶん思春期の、中学くらいの話だ。理由はわからない。
「ゆうちゃん」「ちぃちゃん」と呼び合う仲だったことを思い出すと今では鳥肌ものだ。
せめて高校は違うところに…と少し遠い公立学校を選んだのに、何故かまた同じだった。
…これにはがっかりした。
合格発表の日にアイツを見かけて肩を落としていて、不合格だったのかと周りに心配されたほどだ。
とまあ、それが約1年前の話だ。
「なんだよ」
そんなことをコイツの顔を見ながら思い出していたら、怪訝そうに睨まれる。睨みたいのはこっちだっつの。
最初のコメントを投稿しよう!