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「俺、彼女作ることにしたわ」
数日後。
弁当の時間にいきなり宣言しだした俺を、なんとも言えない目で見てくる親友達三人。
「急にどうした」
真面目で面倒見のいい吉田信彦(ヨシダノブヒコ)。さらに頭もいい。
「つかイマサラかよ」
ヤンキーみたいな見てくれのわりに、気の弱…気のいい渡辺純(ワタナベジュン)。ついでにバカ。
「……」
いつも無口な宮塚建(ミヤヅカタケル)。…ザ・未知数。
一応聞いてくれる辺りにコイツらの優しさがあると俺は信じている。
「いや、まあそんな反応になるよね」
「またあの風紀委員長に何か言われたのか」
「……」
「図星か」
信彦にはいつもだいたいなんだってバレる。だから俺は彼のことを心の中で「エスパー信彦」と呼んでいる、とかいないとか。
「ムリだろ。朝倉が一人に決めるとかよ」
んー?ジュンジュンは黙ってよーか。
「………」
タケルちゃんはなんか言ってください。
「ふん、やってやるもんね。あのまま言われっぱなしじゃいられません!」
そもそも俺はモテるんです(キッパリ)
告白してくれる子にOKしてそのまま付き合ってしまえばいいのだ。そしてまざまざと、あのお坊ちゃん風紀委員長の前でイチャついてやる!
「おまえらってホント仲悪いよなー。つかお前が一方的に神原を敵視してるカンジ?」
「は?別にあんなヤツ敵でも何でもないけど?まあキライだけど」
ウソだ。
むしろ俺より神原が俺を嫌ってるんだ。
まあその辺りの繊細なことは、おバカなジュンジュンにはわかるまい。
「…はぁ。何でもいいが、面倒事は起こすなよ」
「じょぶじょぶだいじょーぶ☆」
呆れたように言う信彦。しかしその顔は何かを悟ったような、なんとなく複雑な表情だった。
さすがはエスパー信彦だ。
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