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三日月
ピロリンっ
結婚記念日の翌日の土曜日
庭では翔太が柚月の車を息子と
共に洗車していた
暇を持て余した柚月は 1人で
ぼ~っとタバコを吸っていた
ん?メールの着信音だよね?
へ?ここのところメールは
よしくんからしか来てないのにな…
誰だろ…
なんの気なしにメールを開くと
安原からのメールだった
え? えええっ?
今まで1度も土曜日に安原からの
メールを受けた事がなかった柚月は
ドキドキしながら読みすすめた
『土曜なのに ごめんね?
やっぱ、まずいかね?
なんか柚月ちゃん何してるかな~
って思ったんよね(*´ー`*)
あっ 無理して返信せんでえ~けんね
昨日は楽しんだ?
何食べに行ったん?
あ~ 返信せんで良いって書いといて
わし質問ばっかりじゃね(笑)
今わしは髪切りに来て待ちよるけん
ふとね なぁんか柚月ちゃんのこと
思い出しただけじゃけ~
気にせんでえ~けんね
スルーの方向で お願いしますっ
あ~わけわからんメールしてもうて
ほんま ごめんね
週末楽しんでっ じゃ~またね』
甘酸っぱいような 胸をギュッと
掴まれたような それでいて泣きそうな
なんとも言えない気持ちになった
(わ~ よしくんからメールきたぁ
もうこんくなるんかと思ったのに~)
昨日の電話で なんとなく メル友
みたいな関係も 元の取引先の担当
としての普通の関係に戻ってしまう
のでは?と危惧していただけに
安原から いつもは来ない週末に
メールがきたことが思いの外
嬉しくて 1人悶絶する柚月
(も~ よしくん不意打ちすぎるよ~)
なんだか テンションがあがり
行きつけのサロンに電話をした柚月
「午後からカットに行きたいんですけど
担当の吉田さんは空いてますか?
はい…はい…わかりましたぁ
じゃ~15時に寄らせて貰いますね」
そして庭までダッシュして楽しく
洗車をしていた男子チームに
「あたし 3時にカット行くことに
したけぇ 翔ちん送って~」
と宣言したのだった
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