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外は太陽が沈み、町の街灯が灯りを灯し始めている中教室に残るのは問題児フレイと担任の先生であった。
最初に口を開いたのはフレイの方だった。
「なんだよ先生、説教ですか?」
椅子に寄りかかり、第一ボタンを開けて訓練生用制服のポケットに手を突っ込みながら先生に聞く。
先生は深呼吸をして、真剣な目で口を開いた。
「いや、説教ではない……。ただ、お前に相談がある」
フレイは相談?と聞き返した。
「そうだ、フレイお前は剣術も反射神経も他の訓練生に比べれば数段上を行っている」
「珍しいな、あんたが俺のこと褒めるなんて」
先生は一呼吸置き、言葉を続ける。
「フレイそこで相談なんだが、帝国軍は近々反抗作戦を行う。しかし帝国軍は今、戦う兵士が全く足りてい状況なんだ……」
「なるほどな、だから訓練生の中から兵を出すって事か……そして俺が選ばれた」
先生は小さく首を縦に頷いた。
二人の間にしばらくの沈黙が続く中、教室の扉が開いた。
「だめだよフレイ!フレイはまだ訓練生なんだよ!」
そこには、スウェンの姿があった。
「スウェン、何でお前が」
「……帰りが遅いから、見に来たんだ。そんなことより、フレイを実戦に出すのは無理です!」
先生は両肘を机に突き鼻の前で手を組み目をつぶり考えこみ、フレイとスウェンを見つめ。
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