第1話「竜国の歌姫」

10/168
前へ
/168ページ
次へ
 酒のつまみにひとしきり笑ったあとで彼らはようやく疑問に思うだろう。  彼らがスカートだと勘違いしたのは袴であった。  シーツに見えたのは小袖(着物)である。  菊千代はそれらを帯で結び、そこにある職業の者にとっては命とも言えるカタナを差していた。それはすなわち武士を指す。    龍歴二〇一干(かん:数詞。一干は甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十年から成る)  甲辰年の#ドの月。    一人のサムライボーイがドラゴンキングダムに来訪した。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加