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年寄りじみた言葉遣いだが、声には張りがある。
歳のころは十六、七ぐらいか。
同年代の少年たちに比べると短い身長だが、骨太で、体は横に広く、ずんぐりとしていた。
まるで白菜。
身体が食物ならば顔もまた食物のようだった。
癖が強く、日焼けした短い髪は茄子のヘタ。
たこ焼きのような頬骨。
団子鼻と腫れぼったい目蓋で形作られた顔はじゃがいものようだった。
すれ違う人々が足を停めて二度見してゆくのは、決して彼の容貌が秀でて美しい訳ではなく、ただ単においしそうに見えたからかもしれない。
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