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~今。~
キーン…コーン…
6時限目が終わり、授業終了のチャイムが鳴った。
「南雲くん、勝負でやんす!!」
「ああ、矢部くん、いつも通り部室までのランニングだな。」
「負けないでやんすーーーー!!」
「「うおーーーーーー!!」」
暫くして。
「着いたでやんす…。今日は同時でやんすね。」
「あれ?誰もいない…?もしかして俺たちが一番乗り?」
「南雲くん、違うでやんすよ。ほら、ロッカーの方。」
「え?」
そこには人影がいた。ノートで顔を隠すように、こっちをジーっと見ている。
「あ、小筆ちゃん。」
「ひゃあ!」
「あっ…ゴメン、いきなりびっくりさせちゃったかな…」
「い…いえ、私…こそ、声かけそびれて…すみません…」
勇樹(どうも恥ずかしがり屋だなぁ…。マネージャーなんだからもっと元気出して貰わないと…)
そして、ベンチの上には、紙切れがあった。
「えーと…?『忙しいので遅れます』でやんすか…」
「はぁ、監督はまた遅刻か…。」
キャプテンに就いてからというもの、監督はろくに時間通りに来ない。
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