ダンディーな先輩

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中学に入学した僕は、吹奏楽クラブに入った。 クラブに入ると、1年上の先輩で、少し異様な雰囲気の先輩がいることに気が付いた。 少し背が高くて、髪型はスポーツ刈り、服装はズボン… 僕が見てもかっこいい…といった感じ… でも「男子かな?」といった雰囲気だった。 あいさつしてみると、返事をしてくれた。 「おはよう」 声が高くて、元気に明るく答えてくれた。 「女子だ…」 顔もかわいいし、スタイルもいいし… でもなぜ、男子っぽくしているんだろう? この疑問は、解けなかった。 僕の中学は、服装は自由だが、女子生徒はスカートがほとんどだった。 ある日、この先輩がスカート姿で登校したことがあった。 すると、吹奏楽クラブの同学年の女子から、先輩は質問攻めにあっていた。 「今日は、どうしたの?」 「何があったの?」 近くで聞いていた僕は、クスクスと笑ってしまった。 吹奏楽クラブの練習が終わると、自宅まで歩いて下校するが、この先輩が話しかけてきてくれて一緒に帰った。 それも、1日だけではなく、毎日のように、まるで追いかけてくるかのように… 先輩は、いつも元気で、明るくて、先輩と話をしている僕は、自然と笑顔になっていた。
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