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僕が中学2年の吹奏楽コンクールでの出来事である。
吹奏楽コンクールでは、課題曲と自由曲の2曲を演奏する。
この年の課題曲には、先輩がソロで演奏する場面があった。
地区大会を金賞で勝ち抜いた僕の吹奏楽クラブは、県大会に臨んでいた。
県大会のステージ上では、メンバーのみんなが緊張しているようだった。
課題曲の演奏がはじまり、先輩のソロの場面になった…だが先輩は、音を外してしまった…
残念ながら県大会は銀賞で、この年の吹奏楽コンクールは幕を閉じた。
このことで、先輩を責めるメンバーはいなかった。
なぜなら、メンバーのみんなは、先輩が一生懸命練習していた姿を見ていたからに違いない。
でも、先輩は責任を感じていたようだった。
吹奏楽コンクールの帰りの電車の中で、先輩は顧問の先生に「すいませんでした」と、はっきりとした口調で謝っていた。
僕は、正直な人だな…と、とても好感を持った。
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