第1話

手紙

最近、ちょっとハマっている事がある。
少し前までは、ネカフェに行ってママ友ランチの為のレストランを探したり、元カレが経営するレストランの情報をチェックする事が楽しみだったけど、何だか飽きて来た。

今の楽しみは‥
月一回の割合で通院している大学系の病院に行く事。
大した病気では無いけれども、筋肉が痛む事が多く、かかりつけのクリニックから、その病院に紹介状を書いて貰った。
長い待ち時間の後で、色々な検査をしたが結果は異常なしで、痛みの原因はよく解らないらしい。

担当となった医師の見たてでは、体質や年齢的な物から来る症状で悪い病気では無いとの事。
ひとまず安心はしたが、鈍い痛みは続くので、副作用の少ない鎮痛剤を処方して貰い、経過観察と言う事で月一回の通院が始まった。

私は、病院が大嫌いだ。
殺風景な建物に漂う消毒薬の匂い、そして恥ずかしいけど注射も苦手。
どの位、病院が嫌いかと言うと結婚して以来ずっと主婦検診にすら行けない位、本当に病院が怖かった。
しかし、担当となった医師が穏やかで、丁寧な口調で説明をしてくれるので、私の不安も少しは薄らいだ。
年齢も私と同じ位で医師としては、そろそろベテランの域だろうし、笑顔になると目尻に年相応の皺が寄るのも好ましい。