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美月は取るものも取らずに、急いで家を飛び出し、赤い自転車にまたがって、愛子の家に向かった。
愛子に送られてきた殺人予告のメッセージが、本物かどうかは、まだわからない。
でも美月は、必死になって、自転車をこいでいた。
目なし女が誰なのかはわからないけど、彼女が送りつけてくるメッセージが、嘘だとは言いきれない。
だからと言って、愛子が殺されるというのも、現実的な話とは思えない。
〈 とにかく急いで愛子に会いにいこう。
愛子に送られてきたメッセージを読めば、私にも何かわかるかもしれないから…… 〉
美月が自転車を走らせていると、ポツリポツリと雨が降りだしてきた。
美月はそれでもかまわずに、全力で自転車をこいでいた。
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