2人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
「……本当にいるの?」
「いるよ」
そう言うとユウマはほら、と微笑み床を見つめる。
一瞬だけ柔らかい風のようなものが頬を撫でた。
足元に暖かい感触がする。
「え、わぁ!!」
「びっくりされましたか」
蛇のように細長い身体を浮かし、顔に生えた髭はゆらゆら泳いでいる。
まるで竜のような妖怪……。
「ゆ、ユウマ!この、生き物は……?」
震える愛衣にユウマはくすりと笑い出す。
「その竜は小さな物の怪さ。名前はない」
最初のコメントを投稿しよう!