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夕日が帰り道をオレンジ色に染める。 愛衣(あい)は石造りの分厚い階段を登りある社へたどり着いた。 ざわざわと神木が葉を揺らす。その音が心地よくて愛衣は思わず笑みを浮かべる。 昔から通っている場所で詳しいことはよく知らない。でも気になってほぼ毎日この社へ足を運んでいる。 「……よし!」 今日も大丈夫です。 愛衣はそう心の中で思うとペコリと頭を下げて家路へ急いだ。 ーー誰かが見ていたのは知らずに。
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