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「何が可愛いだ!
うちは本当にみんな嫌だったんだぞ!
その…なんかよくわからないけど!」
覚子ちゃんがあんまりに楽しそうに笑うので私はむくれて反応しようとした。
ただその時、私は自分に違和感を覚えた。
「あはは、大丈夫。
私はどちらかというと私はクラシックとかジャズが好きなんだけど。
今は遠廟さんが教えてくれたバンド。私も好きだよ?」
優しい覚子ちゃんは、彼女だけは私の趣味を笑わないでくれた。
元から彼女の心に差別なんてなかったのだろう。
でも私と彼女が親友になったのはそんな理由ではなかった。
「今なら私、よおおく遠廟さんの好きな曲のこと分かるよ?」
覚子ちゃんがなんだか確信的な何かを持っているみたいに目を爛々と輝かせる。
「ほら、遠廟さん見てごらん。」
笑顔の覚子ちゃんが指を指す。
その先には私達の通っていた高校があってその屋上がある。
その屋上から人影が飛び降りたのだった。
頭から落ちて本当に脳髄がドロドロと出てきたのだった。
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