大好きだったバンドが解散したせいで

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「あはははははっ! ほら、ざまあみろ! なんでお前が生きてて私が生きてないんだ! ズルいズルいズルいズルいズルい!」 覚子ちゃんの真っ赤な制服がひるがって、さっきまでなんとか収まっていた目玉が道路に落ちた。 明治覚子ちゃん、享年17歳。 春休みの吹奏楽演奏会の帰りにトラックに轢かれて死んじゃった同級生になる予定だった子。 私の目の前で最期に「もっと生きたいのに」って言って死んだ子。 「なんでいっつもつまらなそうに通学路歩くの?? なんでいつも何事もサボるの? ねえズルいよお、私はもっと頑張りたかったのに!」 今はこうして惰性で生きてるように感じた人を呪い殺す悪霊。 そして私の唯一の親友だ。 「あはは…はは、はあ、 ほら遠廟さん、今日も嫌な人一人減ったね。」 覚子ちゃんが真っ黒な目のあった空洞に血をいっぱいためて笑いかけてきた。 「うん、そうだね。」 高校三年生の時、私をいじめた奴に、さえない奴が屋上から落ちてゆくのを毎晩ゲラゲラ笑いながら見ていた光景。 一緒にざまあみろって言っていた光景が今日は悲しく思えて仕方がなかった。
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