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男の主人公 黒田洋(くろだよう)
女の主人公 赤川洋子(あかがわようこ)
1 序章 (黒のはじまり)
「そんな」と、つい言ってしまった
あの日が なつかしい。
この俺 黒田洋は あの時のことを
どうしても 忘れられない。
今さらだけれども 高校2年生に
なった 俺は 小学校の時の
初恋が 原因で 恋愛がトラウマに
なってしまった まあ
どこにいそうな さえない
男子高校生なんだ。
生きる目標を 失ったあの日から
表面的には ちょっとクールな
日常生活を 送ってきたと思う。
こんな俺に いままで彼女が
できるはずもなく 他の同級生なんて
いままで 何回付き合ったか
分からないくらいの 女性と
付き合ったなんて ヤツもざらじゃ
なかったけど そんなやつらの
気持ちなんて 知れてるなんて
自分自身 負け犬の遠吠えに
近いことを 何回も 心の中で
思ったかしれない。
俺なんて所詮 女の人には、縁がない
生き物だなんて 諦めてるし
そんなこと思う 自分自身が
歯がゆくて 仕方ないんだ。 だから
男友達だけで 充分 女友達さえも
不必要って 思うように 強がって
きたんだ。
ここまでが 黒田洋こと 俺の
生きてきた こととかの 生きざまで
これからも なんのへんてつもない
堅苦しい 学校生活を送ってゆくんだなって 思っている。
あと ひと月で 17才の誕生日だっていうのに 全く なにが悲しくて
この北高校に 通っているか 分からない。
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