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図書便りを各教室の人数分に分け、教卓の上に配り終えた私は図書準備室に戻った。
「何だ。まだ居たのか」
私が居た机の上に顔を伏せて広武が転た寝をしている。染めずとも元々茶色い細い髪が夕陽の光を受けてキラキラと輝いている。
「黙っていれば、ナヨナヨした感じが分からずイイ男だな」
警戒心の欠片も無い子供のような寝顔を見て、私は思わず広武の髪をすくように撫でた。
「へっ?にゃに?とっ桐子ちゃん!」
寝惚けた顔で慌てた広武は椅子から転げ落ちた。
「分かりやすいヤツだな。今ドキドキしただろ?」
私は右手を差し出し尻餅を着いた広武を起こした。
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