第1章

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ある冬の夜、実家でお風呂に入っている時でした。 僕はゆっくりとお風呂に入るのが好きで翌日が休みということで家族全員が寝静まったあとに風呂に入っていました。 家族が寝室に行って寝てから1時間以上が経っていて完全に熟睡しているであるはずの時間帯の時のことでした。 リビングの引き戸を閉める音が聞こえてきました。 家の引き戸は2枚の扉で両方が動くタイプになっているのですが、 このようなタイプだと基本的に片方は動かさずもう片方を開閉するものだと思います。 そして冬なので出入りする時以外は締め切っているものだと思いますが、 我が家では冬の間は開閉させない方の扉を数センチほどストーブを使っているので開けっ放しの状態にしています。 この少し扉を開けているのは例えストーブをつけていない時でも冬の間は毎回少し開けるのが面倒臭いので閉めてしまう事は決してありません。 それなのに音が聞こえてお風呂から少し出て見てみるとその少しの隙間が完全に閉められていたのです。 僕は咄嗟に家族の誰かが閉めたのかも知れないと思い再び風呂に戻ったのですが、 よく考えてみると僕の家は築30数年と言ったところで新しい訳ではなくある程度古いので至る所が歩くと音が鳴ります。 特に階段はすごく音がなり、音を出さないように歩く事は不可能です。 家族全員の寝室は2階にあり、下に降りて来るには音のなる階段を降りて来なければなりません。 ましてや扉を閉める音が聞こえるたのに階段を降りる音が聞こえないなんて考えられませんでした。 僕はだんだんと怖くなってきました。 なのでもう早く寝ようと思い慌てて風呂から出て着替えてリビングに行けばもちろん誰も居ません。この短時間で降りてきてまた上に上がった何てことはありえませんし、ついさっきまで誰かがいた形跡もありませんでした。もう怖いので早く寝ようと思いました。トイレに向かい出て階段を上り自分の部屋に行こうとした時でした。 何を思ったのかふと階段の右側にある部屋の扉が開いていて中に真っ白な服に包まれた長い黒髪をした女性が立っていました。 ここで僕の恐怖心がピークに達しました。 もう怖くて怖くていてもたってもいられなくなりました。 僕は目を閉じて慌てて階段を走って上り自分の部屋に入り扉を閉めて布団の中に頭まで入り丸くなって寝ました。
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