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煩くない程度に電機製作所との接待の話や、
ワールドカップの話をする彼に、
私は相槌を打ちつつ笑顔を返す。
それから隣に座っていた人が何人か入れ替わり、
店の中の雰囲気が変わり始めた時、
「―――すまない、もう日付が変わってる」
ふと時計に目を落とした彼は
慌てた素振りで私を見た。
「…本当ですね」
同じように時計に目を落とすと
苦笑混じりに呟く。
「すみません、
遅くまでお話聞かせて頂いて」
「いや、
こちらこそ楽しくてつい時間を忘れた」
店員を呼んだ彼は私の分も支払いを済ませて
私を外へと促した。
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