ハプニングは突然に

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何の為に足を運んでくれるのかは知らないけれど、 事業提携か共同開発、それか共同出資  ――――そんな所だろう 「私が上までお連れするから、  あなたは内線をお願いね」 「はい!  リードの何とか様の時といい、  私じゃ緊張してしまって…」 そう続ける彼女に薄い笑みだけを返すと 1時間程前に通した来客がこちらへと近付いて来た。 「すみません、  ここから地下鉄の駅はどう行けば…」 「あ、それでしたら…」 私が説明をし始めた時丁度鳴った内線に、 長濱さんが受話器を取る。 次第に上擦った声へと変わる彼女に なんだろうと気にはなりつつも 描いた簡単な地図を渡して見送った。
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