ハプニングは突然に #2

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彼の手が、指が、私に触れる それだけで いつもならこんなに心臓が鳴らないのに 高鳴る鼓動が治まることを知らない 男と寝る時は相手の悦ぶ反応を造ること、 ずっと当然のようにしてきた それが惹きつける『手段』であり『対価』 そう振る舞っていたのも紛れもなく私 だけど彼は そんな私と別の”私”を知っている ―――息が上がる 遮るものは何もない 目を開ければそこに彼がいて、 私の肌に濡れた感触を落としていて 悦ばせようと振る舞わずただ身を任せると 体が自然と熱を持って、力が抜けた。
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