ハプニングは突然に #2

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「なんで…」 思わず漏れた声がシャワーの音に混じり、 その端正な顔が濡れていくのを呆然と眺めた。 ポタリ、ポタリと雫が落ちる。 前髪の間から私を横目に見た彼は、 「 風呂、長すぎ  その割にまだ入ってなさそうだけど 」 言いながら溢れそうになっているバスタブを振り返った。 「ちょっと、何で入って来て……」 この状況に一気に動揺して声が上擦る。 そんな私の顔を見ていた彼は 「あぁ、」と小さく呟くと 「どうせお互い脱ぐんだし…  いつ見せても同じだろ 」 (………そうだけど…っ  ――――それは極論じゃない ) こんな唐突に肌を晒すのは不意打ち過ぎる 目を合わせていられなくて 絡んでいた視線をふいと逸らした。 と、視界の隅に映り込んだ長い指が 私の脇腹に触れ、なぞるように腰へ下りていく。  
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