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浅い息を何度か繰り返す
逃げるように急いで出るのも癪で
少し長めにシャワーを浴びた。
だけどどうやっても後ろが気になって
諦めてシャワーを止め、ドアへと目を向けた時、
「入らないの?」
水が動いた音と共に
低い声と視線が後ろから届く。
(―――――――――――)
ただそれだけ
ただそれだけなのに、体が熱くて鼓動が逸り出す。
「……喉が渇いたからもう出るわ
あなたは…ゆっくりして」
肩越しに一瞬だけ目を向けた私は
ふいと逸らして湯気のこもったバスルームを後にした。
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